フラバルス主催イベント「Song Power Station」、すなわち「歌力発電所」ってナイスネーミング。「歌の力」がメインテーマだから弾き語りなイベントなのかな。下北沢Lagunaはライブハウス...ではなくイベントスペースらしい。だからバンドというより弾き語りライブ向け。小さい折りたたみ椅子が並べられててきゅうきゅう。狭いハコだし、SOLD OUTだからね。70人くらいは入っていたんじゃないかな。
出番はゲストのperidotsが先。「足元の悪い中、お越しくださってありがとうございまいた」と高橋さん。そう、今日の東京はめちゃくちゃ冷たい雨が降っていたのでした。「僕、晴れ男のはずなんですけどね...。楽屋でフラバルスの皆に『雨男?』って聞いたんですけど、皆『違う』って…」と、今日の雨の理由をフラバルスのせいにしようとする高橋さん(ひどい笑)。でもそういえば、レコーディングで歌う時は何故か雨で、その時だけは雨男なんだとか。じゃあそのままライブレコーディングなんてどうでしょう(まあいうのはタダなので)。
ちなみにフラバルスとの縁は、フラバルス黒田晃太郎さんがサカノボルトというバンドをやっていた時に対バンしたことから。でもその時は挨拶しただけで、今回改めて話してみたら色々なところでつながっていて、世の中って狭いな、と思ったそう。「フラバルスのリハをみてたら、やっぱり曲がよくて」「やっぱり僕は曲がいいのが好きなんですけど……また毒舌になりそうでした」とかいいかけてやめる高橋さん。最近の音楽シーンに対して物申したかったんでしょーか。気になります(笑)。
最初から1stミニアルバム「PERIDOTS」の曲を立て続けに。これらの曲を聴くと発売直後のワンマンツアーの記憶が蘇ってきちゃう。もちろんその時はバンドでだったけど、弾き語りだと新鮮。「“shoulder”」ってperidotsの曲で一番キーが高いのかな? 声の高いところ、満喫。
「リアカー」のサビの部分のコード進行が好きなので、手元ばかりみてしまう。弾き語りの方が好きかもしれない。ギターの音ですごくピンポイントで好きなところがあるんだけど、CDでは鳴ってない音なので、ライブでしか味わえない楽しみなんです。
久しぶりの「トーキョー・トゥ・トーキョー」嬉しい。「アイ・ウォント・トゥ・ビー・トビー」もだけど、古めの曲の縦横無尽なメロディラインがやっぱり好きだなあ。こういう曲だとperidotsのいろんな歌声(声の出し方?)が堪能できるから、「ほえー」と聴き入るばかり。言葉遊びみたいなところも面白いし。
「ヘッドホン」もバンドアレンジのイメージしかなかったから、弾き語りって意外。この前のワンマンでやらなったから今日やってくれたのかな?
これまた久しぶりの「海と塵」は波が寄せては返すような、ぐぐっと引き寄せられてはふっとゆるむような、波の満ち引きのようなゆらぎが心地よい。「秘密」も改めて聴いて「雪の道自転車で君に会いに行くよ」っていう必死さ、微笑ましいなーと思う雪国育ちの私。
「メトロ」はすごく大好きな曲だけど、今日は他の曲もすごくよかったから、かすんでみえた。そういう日もあるもんです。色んな曲が聴けて嬉しかった。
フラバルスのライブの後のアンコールではフラバルスとperidotsとのセッション。
ちなみに本日のフラバルスチームはパーカッションの森芳樹さんとキーボード吉村隆行さんとの3人フラバルス(最初アコースティックのイベントのはずだったのにだんだんサポートが増えていってしまった、と黒田さん談)。Lagunaはステージも本当に狭いので、フラバルスチームの真ん中の隙間に高橋さんがちょこんと座って、今にもステージからこぼれ落ちんばかり。
今回のイベントのやりとりはメールばかりだったそう。なので今回のセッションはperidotsが選曲して、弾き語りMP3のデータをメール添付で送ってやりとりしたんだとか。黒田さんがその音源を大絶賛。いいなあ、高橋家の換気扇の音も入ってるらしいその音源(笑)、是非聴いてみたいもんです。その曲はStevie Wonderの「I just called to say I love you」(しかし「心の愛」って邦題、すごいよね)。高橋さんは歌のみで、フラバルスチームが演奏(黒田さんも歌う)。しかし演奏が始まっても誰も歌い始めなくて、お客さんも&高橋さんも皆「キョトン」とした顔。どうやらイントロのギターがリハと違ったせいで高橋さんが歌に入るタイミングを見失った模様。いつでも高橋さんが歌に入りやすいように黒田さんが気をきかせて演奏を若干変えたのが裏目に出たらしく、「リハと同じくギターで『ジャン♪』って(歌に入るタイミングがわかりやすい)方で」と高橋さんのリクエストによりやり直し(笑)。雨男の件といいこの件といい、今日の高橋さん、フラバルスに対して強気キャラでちょっと面白かった。以前ラジオの弾き語りでも披露されたことがある曲だけど、声のタイブが違う2人で歌うからまた面白い。カヴァー曲なんてこういったイベントでもないとなかなか聴けないから、ちょっと得した気分。
しかし、peridotsの弾き語りをこんな小さな空間で堪能できるのは貴重。バンドサウンドもかっこよくて好きだけど、歌声をじっくり味わうにはやっぱり弾き語りじゃないと。だからこれからも色んなスタイルでのperidotsを聴いてみたい。ワンマンでやった新曲もまた聞きたかったな〜、とも思ったけど、「昔の曲やって」だの「新曲を聞かせろ」だの、ファンの欲求はとどまるところを知らないであります。まあ仕方ないってことで、ね(開き直り)。
【yrrtnhr】