peridots Tour “Mad World” @大阪(REPORT)

そういえば、メジャーデビュー後のワンマンツアーも梅田Shangri-Laだった。あれから2年と8ヶ月。色々なことがあったけど同じ場所に帰ってきた。
まず驚いたのが今ツアーグッズのTシャツが発売。初グッズ? 気合いの表れ? 黒地に120分のカセットテープの絵がプリント(バックは肩甲骨の辺りにワンポイント小さくperidotsロゴ)。後のMCで「peridots史上初の物販なので、だっさいTシャツと思っても買っといた方が、いいですよ」て。でも宣伝効果あってか、終演後SOLD OUT。
赤いピックをマイクスタンドのホルダーに4枚用意。今までなかったのに、こんな所にもやる気がみえかくれ? ギターはいつもの黒いのともう1本用意。音で使い分けというより、チューニングの手間を省くためかな?

バンドメンバー、そして高橋さんが登場し、ライブが始まる。
ジャムっぽい演奏から始まった1曲目は「EVERY LOVE SONG」。この曲のもつ明るさって、オープニングに似合う。バンドだとCDで聴くよりも甘さスッキリな印象。間を空けず、昨年11月に披露された新曲「My Mind Wanders」「オールライト」と立て続けに。その上「メトロ」「follow the stars (in your heart)」と前半から人気ある曲を惜しげもなくやってくれて、こんな贅沢なことって! ずっとこのワンマンライブを待ちわびてきた思いが報われた瞬間。「メトロ」のサビのコーラス、控えめながらもで歌の厚みが増して、一層好きになった。
そして高橋さんのギターのアルペジオから「急に石が飛んできて〜ラプソディ・フォールズ〜罪」へ。途中から他のメンバーも演奏に加わる。そして「エキスポ」は私にとってはまさに2年8ヶ月振り。そう、こんな曲だった!とあの感動が再び蘇ってきた! もうどんな曲か思い出せずにいたから。もうこのメロディ忘れない。記憶した。
ライブ中盤はキーボードと2人だけで「アイ・ウォント・トゥ・ビー・トビー」「夜のページ」「eyes」を。「アイ・ウォント・トゥ・ビー・トビー」みたいな軽やかな曲があるから「夜のページ」や「eyes」のような曲がさらに際立つ。そしてやはり「夜のページ」は素晴らしい。気づけば会場のあちこちからすすり泣く声が。その瞬間、この曲がそれぞれの人の心に寄り添っている、そんな光景が奇跡みたいに思えた。
ちなみに、新しいペリバンドは過去のサポートメンバーだったFIREさんと光太郎さん、ドラムとキーボードの方は初めての方々。「数日前からリハをやってたんだけど、ほんと楽しくて、このままだと何か出でそうなくらい・・・」と高橋さんがいっていたけど(てか何が出るんですか笑)、生まれ変わったように、根っこのところから全然違うように感じた。メジャーデビューしてからサポートメンバーはどんどん代わっていったけれど、曲に対するバンドのアレンジは今まで大きく変わることはなかったように思う。でも今回は数日前から合わせただけで「Raining, raining」や「労働」をはじめとする数曲のアレンジががらっと変わっていた。メンバーを信頼しているからこそできることだろうし、今の環境だからできるようになった部分もあるのかな? 色々な形態を取ることができるフレキシブルさがperidotsの魅力でもあるけれど、固定メンバーで演り続けることで一緒に作り上げていく、熟成する過程をみるのもバンドの大きな楽しみのひとつだから、そういうものもこれからみせてほしい。このワンマンツアーはきっとperidotsの歴史の大きな一歩になる、そんな風に思った。
そんなリアレンジされた曲で一番驚いたのが、ピアニカから始まる「Raining, raining」。あの歌詞の世界観に郷愁を感じさせるピアニカをもってくるなんてハマリすぎでしょう! そして長いジャムセッションの末に「労働」が始まった時の衝撃といったら!
1st mini albumからも何曲も。個人的には「“shoulder”」がとても聴きたかったんです。Sunnyさんがコーラスしていた部分はバンドメンバー皆が歌ってた。改めて1st mini albumのよさをライブで味わう機会って意外になかったから。それって勿体ないことだよね。
純粋な新曲は1曲。ライブ後半に披露されたその曲は「My Mind Wanders」にも共通するところもある、今のperidots=タカハシコウキそのものを表すような歌詞。あれが答え。ファンが聞きたかったことば。「自分が歌を歌う意味」についてこういう風に、色んな形で歌うミュージシャンっているのかなあ(私が知らないだけかも知れないけど)。peridotsって自分が知ってるどのミュージシャンとも成り立ちからして違う特別な存在。確か新曲にはこんな歌詞があったように思う。

これが僕の魔法
めちゃくちゃにきれいなメロデイ

あはっ、本当にそうだよね。最初に聞いた時の衝撃はやっぱりジェットコースターみたいに上へ下へ行き来する自由なメロディラインで。あれが他に取り替えがきかない中毒のもと(比較的古い曲はそういうものが多いのかな)。でもこの歌詞のだけじゃこの曲が伝えたいことのほんの一部でしかないから。行ける人は実際にライブ会場で、実際にperidotsが歌う姿込みでこの新曲をまるっと味わってほしい。
「ライフワーク」、私の中での最高の「ライフワーク」は以前のシャングリラワンマンの時のもの。でも新しいバンドでの演るこの曲は、新しい一歩を感じさせてくれた。「今日ここから始まります。本当にここから。期待していてください」という言葉を心から待っていた。本編のラストは「リアカー」。今回のツアータイトルはここからとった、と聞いて、この曲の存在感の大きさを感じた。これ以上にふさわしいラストの曲はない。これからも一筋の希望を信じていきたい。力強いこの曲に励まされるような思いでじぃんと受け止めた。

アンコール。
「『いつメンバー紹介しよう?』って言ったら『紹介しなくてもいいんじゃない?』なんて言っちゃう人達なんで」ってホントに紹介しないってアリですかーー?!(笑)。「紹介はblogで」て、続きはWEBなのかそうなのか。
「ナッシング・イズ・カミング」はイントロのギターがとてもかっこよくて熱っぽいテンションに。「You are the song」のハッピーな雰囲気も大団円を迎えるのにはまってた。最後にの「freesia」は高橋さんの大阪に対する愛情の表れだろう(なので東京では違う曲をやるんだろう)。 MCで「本当に皆さんに支えられて、僕は音楽だけに集中することができました。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝える高橋さん。地元東京だけでなく大阪でもこうしてワンマンができたのは清水音泉さんやシャングリラや関西のファン、いろんな人の力があったからこそ。アンコール後も拍手がやまなくて、曲はやらなかったけど、カーテンコール(本人いわく)に出てきてくれた。やっぱりperidotsは大阪ですごく愛されてるんだな。「愛してるよーーー! 大阪!」なんていう高橋さん、他の地方のものとしては若干ジェラシー感じますが(笑)それは当然のことなので。大阪のワンマンが成功した勢いのまま東京でもいいライブをやってくれたら。「peridotsはもっともっといいライブしますんで。期待しててください!」と宣言していたから、その言葉を信じてこれからもいこうではないですかい。


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