Re:mix 2008@名古屋(REPORT)


Re:mix 2日間の名古屋は大雨まっただ中。関西方面からの新幹線は遅れも出たりしていて、初日トップバッターのperidotsの出番に間に合うのか?!と肝を冷やした人は少なくないのでは? 「大雨のせいで足止めくらって到着がギリギリになった」といっていたバンドもいくつかあったけど、peridotsご一行もそうなのか、並ぶお客さんの横をすり抜け、開場数分前に慌ただしくアポロシアター入り。お互いに間に合ってよかったです。

開演時間を少し過ぎたステージに高橋さんが一人で登場。今日はサポートなし、ギターでの一人ペリ。 腕まくりした白いシャツにグレー(黒?)のパンツ…いつもと違うのは不精ヒゲ。ワイルドなタカハシコウキにイメチェン?と思ったりもしたけど、ライブの最後の方でぼそっと「きたなくてすみません」っていってたから、剃る時間がなかったのかも(まあアレはアレでアリかと)。

「うぇーい」といつものようにお客さんに手をあげギターを構える。

1曲目は「歌は常に雄弁である」。立て続けに「メトロ」。わーーー! 先日発売されたミニアルバム「EVERY LOVE SONG」のタワレコ特典で「peridotsに弾き語ってほしい曲を応募したら、皆のリクエスト曲を参考の上吹き込んだ1曲入りCDを応募者全員にプレゼント」という企画があったんだけど、私が投票したい1位と2位がこれらの曲だったので、それだけで来た甲斐があったというもの。本望です。もう投票結果は出てると思うんだけど、ライブでの選曲の参考にしてたりするのかな? バンドバージョンでない「メトロ」は派手さはないけど、むしろその穏やかさがいいくらい。あっという間に引き込まれてしまった。

そのまま「eyes」に続き、もっと気持ちを連れ去ってくれるかと期待が高まったところなのに、2小節目くらいで歌詞が飛んでしまい、わはっと笑いが起きて会場の空気が緩んでしまう。せっかくのいい緊張感が勿体ない〜!と思ったけど、動じずに高橋さん、そのままループしてギター弾き続け、最初から歌い直して立て直してしまう。やっぱりこの曲の惹き付ける力はすごいよな。目の前で歌っているけど、お客さんに向けてというより、何か違う…もっと大きなものに捧げているかのように感じる。そこにいるのに、一人だけ別の世界につながって、チャネリングしてるみたい。

ここでやっとMC。ニューミニアルバムのタイトルにもなった「EVERY LOVE SONG」は初めて人と共作した曲で、困った時にYANAGIMANさんと相談しながら作ったそう。「それまで(曲作りに)迷ったとき相談する人がいなかったので」なんていわれたら逆に心配になりますが(苦笑)。イントロのところ、高橋さんが体全体を使って小刻みにリズム取りながら歌う姿がほほえましい。こういう風にやるのってほかでは「9月のソーダ」くらいだよね? そう簡単に血肉化されない?

曲が終わってチューニングを始めるも、突然ギターをスタンドに置いて舞台袖に消える高橋さん。ギターのクリップ式チューナーを取りに(交換しに?)いってたみたい。1曲ごとにチューニングはしてはいたんだけど、機械の調子が悪かった?より厳密にしたかったってことかな?「僕の長所であり短所でもあるんですけど、『諦めが早い』ってのがあって、でもそれじゃいけないと思って」っていってたっけ? もしそうだとしたら、 個人的にはその心境の変化とても嬉しいです。

MCでは「たくさん集まって頂いて...一応平日ですよね? 大丈夫なんですか?皆さん」と心配する高橋さん(笑)。でもRe:mix全体の客層をみると若い...学生が多いのかな?という印象を受けたかも。「以前アポロシアターでワンマンやった時にきてくれた人もいると思うんですけど」ってもうあれから2年も前になるのか。「名古屋以外から来てくれた人?」というと、フロアのあちこちで手が挙がる。「名古屋はあっちからもこっちからも来やすいですしね」って、いやいや、あっちやこっちでもライブやってくださいよう!とツッコまずにはいられず。あと名古屋だけに味噌煮込みうどんの話も。「香川出身の友人にいわれると『アレはナイ!』そうですが、僕は2回目から味噌煮込みうどんの美味しさがわかるようになりました」 今回は日帰りだそうですが、名古屋グルメは堪能できたんでしょうか。あと、さらっといってたけど「『EVERY LOVE SONG』は前よりも売れたそうです。まあ、ある意味宣伝期間は長かった?

「リアカー」については「わかりやすいメッセージではないかもしれないけれど、色んな思いを感じ取ってください」と話してた。当然だけど、CDよりも熱を帯びていて。大サビ前の間奏のギターのカッティングにぐっときた!「EVERY LOVE SONG」の中では一番この曲が好き。「eyes」はすごい曲だけど、「リアカー」が「現在進行形のperidots」の魅力がつまった曲だと私は思っているので。バンドでも早く聴いてみたい。ラストはCDみたいにビシッととめる。

「労働」のイントロもバッチリ。何度聴いても全然飽きない。しかし「労働」をリリースしてからこの曲をやらないことってあったっけ?

「5曲くらいしか聴けないかなー?」と思っていたので、6曲もやってくれて嬉しかったー。2年前のアポロシアターでのワンマンも素晴らしかったんだけど、この会場と相性がいいのかな? 音響も私的にはバッチリで、しみじみよかった。ほやんとした高橋さんのMCも魅力ではあるけれど、ゆるーくなりすぎるのより、今日みたいにぴりっとした緊張感を感じられる方が好きだな(それに色んな人が観にくるイベントだし)。本当、大雨のなか頑張って観にきたかいがありました。


【yrrtnhr】